個人所得源泉税申告書の見方について

申告書の見方について解説するシリーズの第三弾として、今回は個人所得の源泉税申告に用いられるP.N.D.1という申告書の見方について解説します。

第一弾:法人税確定申告書の見方について

第二弾:VAT申告書の見方について

 

P.N.D.1は会社として申告する内容がまとめて記載されたページ、従業員一人ずつの所得と源泉税額が記載された付表に分かれています。

 

申告書

左上法人の情報について入力する箇所はP.N.D.50と同様なので、割愛します。

 

ピンクの枠の部分

□通常申告 □修正申告___回目

 

水色の枠の部分

仏歴何年の申告か数字を記入し、何月分の申告か、当てはまる月に✔を入れます。

 

緑の枠の部分

後述する従業員ごとの所得や源泉税に関する添付資料を選択します。

通常は付表を使用しますので一つ目の□に✔を入れます。

 

オレンジの枠の部分

源泉税の内訳について記載します。

源泉税項目の概要 人数 所得合計 源泉税合計
1.     歳入法典第40条(1)の所得
2.     歳入法典第40条(1)のうち歳入局が3%の源泉税率を認めたもの
3.     歳入法典第40条(1)(2)に基づく解雇保証金
4.     歳入法典第40条(2)の所得で受領者がタイ居住者
5.     歳入法典第40条(2)の所得で受領者がタイ非居住者
6.     合計
7.     追徴課税(あれば)
8.     合計:源泉税と追徴課税(6+7)
源泉税の合計金額(文字で記載)

 

付表

黄色の枠の部分

該当する所得について、当てはまる箇所に✔を入れます。

 

赤の枠の部分

給与所得を申告する対象者の情報を入力します。

左から順番に、

  • 通し番号
  • 個人情報(Tax ID/国民IDとフルネーム)
  • 何年何月何日支給の給与か
  • 所得金額
  • 源泉税額

 

紫の枠の部分

先ほどの赤色の枠の一番右側を紫で囲っています。ここは「誰が」税金を負担しているかがわかる、重要な箇所です。下記のいずれかの数字が入力されます。

  1. 源泉徴収
  2. 会社負担
  3. 会社負担(一度限り)

一般的な処理は源泉徴収です。

会社負担というのはTax on Tax(Tax Absorb)と呼ばれる処理で、本来個人が支払う所得税を会社が負担します。手取保証のため駐在員向けによく用いられる計算方法です。

 

※P.N.D.1の申告書付表は歳入局のサイトからご確認いただけます。

 

その他、個人所得税関係については、下記記事をご参照ください。

基礎知識について▶『タイでの個人所得税の基礎知識

税率について▶『タイ税金のすべて~ビジネスを行う際に知っておくべき税金~

課税対象所得について▶『タイの個人所得税~対象となる所得~

控除項目について▶『タイ個人所得税の控除項目