タイにおける仮想通貨への個人所得税課税

2018年5月13日に歳入局から暗号通貨やデジタルトークン(以下、仮想通貨)の所得税課税に関するルールが発表され、タイにおける仮想通貨課税がスタートしました。

今回はタイにおける仮想通貨に対してどのような課税が行われるのかを解説していきます。

 

タイの歳入法典所得税法上8つに所得区分がされています。

1 給与、賞与、住宅手当など雇用に起因する所得
2 職責や請負に起因する所得
3 営業権、著作権、特許権の使用料
4 利息、配当、株式譲渡益、仮想通貨、デジタルトークンに関する利益
5 資産の賃貸
6 自由業(弁護士、会計士、建築士等)の所得
7 請負契約所得
8 1から7に属しない、事業、商業、農業、工業等の所得

 

仮想通貨に関する所得は(4)に区分され、保持または保有から得られる利益の分配や移転による利益、また、投資額を超えた評価益に対して課税されます。

仮想通貨に対する課税所得の支払いの際には15%の源泉税が課せられる事が規定されています。仮想通貨と同じ所得に分類される受取利息や配当等も同様に源泉徴収義務がありますが、最終的な確定申告(ファイナルタックス)において分離課税を選択する事が認められる特例があります。そのため、源泉徴収された税率よりも累進課税税率(源泉徴収された15%については確定申告書上、納税額から控除を受ける事が可能となり、また、累進課税上税率が15%に届かない場合は還付を受ける事も可能です。

 

現在、実務上取引所からタイバーツ口座への着金の際、源泉徴収が行われていないため、仮想通貨取引における確定申告納税税法上、利益の計算方法などの具体的なガイドラインが明示されていないため、どのように仮想通貨に対する所得を申告するかは専門家に相談を行いながら申告手続きをお勧めします。

 

その他、個人確定申告関係については、下記記事をご参照ください。

基礎知識について▶『タイでの個人所得税の基礎知識

税率について▶『タイ税金のすべて~ビジネスを行う際に知っておくべき税金~

課税対象所得について▶『タイの個人所得税~対象となる所得~

控除項目について▶『タイ個人所得税の控除項目