法人税確定申告書の見方について Part 2

先月掲載のPart 1では確定申告書(P.N.D.50)の1ページ目から読み取れる情報についてご説明しました。

2ページ目以降、P.N.D.50はItem 1~Item 9で構成されています。

Part 2では、2ページ目に記載されているItem 1と3ページ目に記載されているItem 2について解説します。

 

2ページ目

2ページ目では、Item 1に入る前にもう一つ項目があります。オレンジの枠で囲まれている部分です。

ここでは法人の使用している通貨について記載します。大半の企業が現地通貨であるバーツを機能通貨としているかと思いますが、外貨を機能通貨としている場合にはここで納税額(及び延滞税)を会計年度最終営業日のタイ中央銀行の仲値でバーツ転します。

続くItem 1が紫の枠で囲まれている部分です。ここでは納税額を計算します。

  1. (1)課税所得(2)純損失(Item 2の21の数字が入ります)
    (3)収益全体が課税される場合
  2. 税率を選択します
    (1)通常
    (2)軽減税率(各種あるので該当するものを選択します)
    (3)収益全体が課税される場合
  3. 控除項目について
    (1)勅令18号および483号に基づく非課税所得
    (2)勅令300号に基づく非課税所得
    (3)源泉徴収税
    (4)P.N.D.51での中間納税額
    (5)通常税率から50%の軽減税率を適用
    (6)P.N.D.50での納税額(追加申告の場合)
  4. 納税額
    □追加納税額
    □過払額
  5. 延滞税(あれば)
  6. 合計納税額
    □追加納税額
    □過払額

 

3ページ目

 

このページにはItem 2とItem 3が記載されていますが、ここでは紫の枠で囲まれているItem 2の記載項目について説明します。

  1. 売上
  2. 原価(Item 3の9の数字が入ります)
  3. □売上総利益 □売上総損失
  4. その他収益(Item 5の7の数字が入ります)
  5. 3+4(赤字の場合は4-3)
  6. その他費用(Item 6の5の数字が入ります)
  7. 5-6(赤字の場合は5+6)
  8. 販売費および一般管理費(Item 7の24の数字が入ります)
  9. □純利益 □純損失
  10. 税務上追加で益金認定すべき項目
  11. 税務上損金不算入となる項目(Item 8の7の数字が入ります)
  12. 9+10+11(赤字の場合は9-10-11)
  13. 税務上の益金不算入項目および追加で損金算入が認められる項目
  14. 12-13(赤字の場合は12+13)
  15. 繰越欠損金
  16. 14-15(赤字の場合14+15)
  17. 寄付金等の追加控除のうち上限額を超える金額
  18. 寄付金のうち損金不算入とすべき金額
  19. 研修費のうち損金不算入とすべき金額
  20. 16+17+18+19(赤字の場合は16-17-18-19)
  21. □課税所得 □純損失

 

実際のフォームを見ていただくとわかる通り、Item 2から8については、数字を記入できる箇所が3つに分かれています。

  1. 非課税事業
  2. 課税事業
  3. 合計

BOIで免税恩典を取得している企業であれば①非課税事業に数字を入力します。免税恩典を取得している企業であっても課税事業を行っている場合は、①非課税事業と②課税事業に分けて記載します。

 

次回、Item 3以降の内容について解説します。

※P.N.D.50のフォームは歳入局のページからご確認いただけます。

 

その他、法人税関係については、下記記事をご参照ください。

タイ税金を網羅的に把握▶『タイ税金のすべて~ビジネスを行う際に知っておくべき税金~

法人税の基礎知識▶『タイでの法人税の基礎知識

損金不算入経費▶『タイでの節税対策~費用、損金とは?損金不算入経費削減で節税効果~

申告書の見方▶『法人税確定申告書の見方について Part 1

決算期の注意事項▶『タイ法人の決算期の留意事項