法人税の中間申告-25%ルールとは-

タイの企業の多くが12月決算ですが、12月決算の会社は6月末で半期決算を迎え、8月末までに法人税の中間申告(P.N.D.51)が必要です。

法人税の免税恩典を持っている法人や駐在員事務所など、実際に法人税の支払いが発生しない企業であっても申告義務があります。

今回は還付申請を行った際や定期税務調査でも指摘や確認が入りやすい法人税の中間申告に関するポイントについて解説していきます。

 

法人税の中間申告では、まず上半期6か月の実績値と下半期6か月の予想値から年間の収支計画をたてます。その年間収支から法人税を計算し、算出された半分の額を中間申告書と合わせて納付します。

上半期実績値の利益が100THB、下半期の利益も同じく100THBと予想した場合、200THBの利益に対して法人税率20%を掛け40THBの半分(20THB)を中間納付します。

定期的で固定的な収入が多い場合や先の見通しが立てやすい場合下半期の予想が難しくなることはありませんが、顧客からの発注時期の見通しが難しい場合や気候や為替等外的要因により収支にばらつきがある場合など、年間収支予測の見通しが難しい企業は注意が必要です。

 

一般的に25%ルールと呼ばれるタイの税法規定で半期予測した利益額と比較し25%以上の差異が出る場合、1.5%/月の延滞税と別途20%の加算税の納付が必要です。

決算時の数字が上半期の実績値が100THB、下半期の利益が100THBと予想し年間の利益を200THBとしていたが実際の着地が300THBとなってしまい、中間申告時の数字と比較すると50%UPとなってしまうと、25%ルールに抵触し通常の法人税額(20%)以外に延滞税(1.5%/月)、加算税(20%)を納付する必要があります。

 

下半期の予想が全くできない企業の場合延滞税20%を回避する方法として、法人確定申告(P.N.D.50)を申告する前に中間申告の修正申告を出し、差異を25%以内に収めることができます。

この場合加算税の20%は支払わずに済ませることができますが、1.5%の延滞税の発生は回避できません。

無駄な支出を抑えるために営業側のスタッフと経理側のスタッフとの打ち合わせの機会を持つなどして、予測と実績値の差異が25%以内になるような収支計画を立て中間申告手続きを行っていただければと思います。

 

その他、法人税関係については、下記記事をご参照ください。

タイ税金を網羅的に把握▶『タイ税金のすべて~ビジネスを行う際に知っておくべき税金~

法人税の基礎知識▶『タイでの法人税の基礎知識

損金不算入経費▶『タイでの節税対策~費用、損金とは?損金不算入経費削減で節税効果~

申告書の見方▶『タイ法人税確定申告書(PND50)の見方

決算期の注意事項▶『タイ法人の決算期の留意事項