① SBTとはなにか
特定事業税(Specific Business Tax:SBT)の略で、銀行業、不動産賃貸業などの特定事業の収入に対して課税される税金です。(詳細は歳入法典第91条以降に記載されています。)
VATがタイ国内における物品販売やサービス提供、国外からの物品やサービス輸入にかかる税金であるのに対し、特定事業税については、一定の取引・事業を課税対象としています。特定事業税の課税対象となる取引や事業については、原則としてVAT課税の対象外となります。
普段行なっている事業外であっても、不動産譲渡や金銭貸付の取引については課税対象となるため、注意が必要です。
② SBTの課税対象取引と税率
SBTの課税対象事業ごとの税率について以下の表で示します。
特定事業税納税額 = 各月の対象事業の総収入 × 事業区分別の税率 を翌月に納付する必要があります。
| 対象事業 | 税率 |
| 商業銀行、その他の銀行業務 | 3.3%(特定の取引については低減税率0.011%) |
| 金融、証券 | 3.3%(特定の取引については低減税率0.011%) |
| 生命保険 | 2.75% |
| 質屋 | 2.75% |
| 商業銀行に類似する事業 | 3.3% |
| 不動産販売 | 3.3% |
| 有価証券の販売 | 現在は免税(本来は0.1%) |
| その他勅令で定められた事業 |
③ SBTの申告に用いる申告書
P.T.40(Phor.Thor.40(ภ.ธ.40))という申告書を用いて申告を行います。
④ 申告のタイミング
最初のSBT対象事業の取引を開始してから30日以内に税務署に登録申請書であるP.T.01(Por.Thor.01(ภ.ธ.01))を提出し、SBTシステムに登録する必要があります。
その上で、原則、収入が発生した月の翌月15日までにP.T.40によって申告・納税を行う必要があり、オンラインの場合は8日延長した23日が申告納税期限になります。VATを登録した場合と同様に、その月にSBT対象の売上がなくても毎月、申告を行う義務があります。
⑤ 加算税及び延滞税などについて
SBT該当事業を行なっているにも関わらず上記のP.T.01による登録を行なっていない場合、1ヵ月以下の禁固または5,000THB以下の罰金、またはその両方を科せられる可能性があります。その上で、SBT未納などの場合には下記の加算税、延滞税が発生する可能性があります。
加算税
・納税者登録を行わずSBTの課税対象事業を行った場合、その月の納税額の最高200%が加算税として課されます。
・無申告の場合、その月の納税額の最高200%が加算税として課されます。
・申告に誤りがあり納税不足があった場合、その不足税額と同額が加算税として課されます。
延滞税
・納税不足額に対して、1.5%/月の延滞税が課されます(上限100%まで)。
⑥ 事業会社でSBT課税対象に該当する可能性のあるケースについて
A. 関係会社に対する金銭貸付
例
タイ国内の親会社が子会社に継続的に資金を貸し付け、利息収入を受け取っている場合、商業銀行類似業務に該当するとしてSBT課税対象となります。その場合、受取利息×税率を支払う必要があります。
ただし、貸付日前少なくとも6か月間において、議決権の25%以上を保有している会社、されている会社への貸し付けについてはSBTが免除されます。
判断ロジック
- 単発の一次的な支援ではなく、継続的な反復した貸付
- 利息収入を受け取っている
B. 事業目的所有の不動産売却
例
本業が製造業である法人が事業目的で保有していた資産(土地や建物などの不動産)を売却した場合、営利目的の不動産売却に該当し、SBT課税対象となります。その場合、売却価額×税率を支払う必要があります。
SBT対象となる不動産売却については、P.T.40ではなく例外的に土地譲渡の登記時に土地局に対して申告・納税を行う必要があります。
判断ロジック
- 原則、不動産取得から5年以内に行う販売は営利目的の不動産売却に該当し、SBT課税対象となる。ただし以下の場合は対象外の可能性あり。
・不動産収用法に基づく収用売却の場合
・相続により取得した不動産の売却の場合
・自己の居住用として使用していた不動産の売却の場合
いかがでしょうか。
お時間ありましたら、「タイでのVAT(付加価値税)の基礎知識」も併せてご参照ください。
