タイでは税務上、固定資産の減価償却について以下の表の償却率を上限として減価償却費を損金として計上することが認められています。
| 固定資産の種類 | 償却率 | 減価償却期間 |
| 建物・構築物 | 5% | 20年 |
| 賃借権および、営業権、商標権、著作権、特許権、技術使用件、その他の権利 | 10% | 10年※1 |
| コンピューター機器および周辺IT機器
ソフトウェアを含む |
33% | 3年 |
| その他の資産 | 20% | 5年 |
日本では資産の種類別に比較的細かく減価償却期間が決められているのに対して、タイでは大まかな分類のみとなっています。
また、償却途中で一度設定した償却方法、償却率の変更を行う場合は、事前に歳入局長官の承認が必要です。
1.固定資産の定義について
日本の固定資産の定義が、使用期間が1年以上かつ取得価格が10万円以上などと金額基準が定められているのに対して、タイでは取得価格に関する基準が定められておらず、1年以上使用するものがすべて固定資産となります。
ただし、実務上では社内で金額基準を設定し(5~6,000THBが多い印象です)、それ以下であれば固定資産として計上せず、費用処理することが一般的です。ただし、この方法を採用する場合には、本来資産化した後に減価償却すべきものを一括に費用化しているために税務リスクがある点に注意が必要です。
2.中古資産の減価償却について
中古品を購入した場合であっても税務上は新品と同様、購入時の取得価格に基づき資産区分ごとに定められた償却率で減価償却を行います。
例えば、中古パソコンを購入した場合でも、取得価格に基づいて新品のパソコンと同様に耐用年数3年で減価償却を行います。
3.「建物・構築物」と「その他資産」の区別について
税法上、「建物・構築物」の範囲については具体的に定められていませんが、実務上、建物本体及び建物と一体不可分の部分については「建物・構築物」、建物本体の付属設備として、建物から取り外して他の場所で使用できるものは「その他資産」と区別されています。
4.「賃借権および、営業権、商標権、著作権、特許権、技術使用件、その他の権利」の減価償却期間については契約で定められた使用期間が優先されます※1
- 賃借権について、契約により使用期間が定められている場合、その期間を税務上の減価償却期間とします。
一方で特定の期間が契約によって定められていない場合、税務上の減価償却期間は10年です。また、契約上自動更新などの定めがあり実質的に契約期間が定められていないと見做される場合も同様です。
- 営業権、商標権、著作権、特許権、技術使用件、その他の権利についても、使用期間が契約で定められている場合には、契約期間を税務上の減価償却期間とします。
いかがでしたでしょうか。
もしお時間が許すようでしたら、「減価償却計上が必要な資産とは」も併せてご確認ください!!
