BOI外国人雇用に関する措置について
2025年6月、タイ投資委員会(BOI/Board of Investment)は外国人労働者の雇用に関する通達Por.8/2568を公布しました。
以下、通達の概要とよくある質問について解説しています。
1. 製造業におけるタイ人雇用比率
2. 外国人の最低賃金基準
3. 実施スケジュール
4. Q&A
1. 製造業におけるタイ人雇用比率
製造業で従業員数が100名を超えるBOI企業は、従業員の70%以上がタイ人であることが義務付けられます。従業員数が100名未満の企業やBOI奨励事業がサービス業である場合はこの規定の対象外です。
タイ人従業員数は直近の社会保険料納付書もとに確認されます。
2. 外国人の最低賃金基準
BOI奨励企業が外国人従業員の就労許可やビザを申請・更新する際に必要となる最低月収が規定されました。
| 職位 | 最低年齢 | 最低職歴(関連分野) | 平均月収(THB) |
| 経営層 | 27歳 | 5年以上 | 150,000 |
| 管理職レベル | 27歳 | 5年以上 | 75,000 |
| オペレーションレベル | 22歳 | 関連分野の教育を受けていれば2年以上、そうでなければ5年以上 | 50,000 |
| エンジニア | 22歳 | 関連分野の学位があれば2年以上、そうでなければ10年以上 | 75,000 |
| ITスペシャリスト・研究者 | 22歳 | 関連分野の学位があれば2年以上、そうでなければ5年以上 | 75,000 |
| ワークステーションオペレーター | 22歳 | 訓練証明書 | 35,000 |
このうち、管理職レベル、エンジニア、ITスペシャリスト・研究者については、申請者が業務に関連する分野の学士号を保持する場合は最低月収は50,000THBに減額されます。
期間が6カ月未満の外国人労働者については当規定の対象外です。
3. 実施スケジュール
• 2025年6月5日以降に投資奨励された企業の場合、2025年10月1日から
• 2025年6月4日以前に投資奨励された企業の場合、2026年1月1日から
4. Q&A
外国人雇用に関する措置について、BOIがまとめたQ&Aを和訳しました。
第1項:タイ人雇用割当
例 A社は3つの投資奨励事業(製造業とサービス業)を持ち、以下の通り雇用しています。
・タイ人が90人
・事業1(製造業) 外国人従業員が20人
・事業2(製造業) 外国人従業員が10人
・事業3(TISO) 外国人従業員が10人
つまり、タイ人が90人、製造事業に従事する外国人が30人で合計120人となり、 タイ人比率は75%でBOIの条件を満たしています。
2025年6月5日以降に投資奨励された企業の場合、2025年10月1日
・MOUの労働者
・製造事業の投資奨励を使用していない外国人(例 General Business、IEAT、BOIサービス事業など)
方法2:製造事業を有するBOI奨励企業のタイ人従業員数 ≥ (BOI奨励企業の全製造事業で許可される外国人従業員数 × 7) ÷ 3
*端数切り捨てる
2. それ以降の提出は2つの場合があります:
1)BOI恩典(製造及びサービス)を使用した外国人が30人以下の場合、前年12月の給与を翌年2月に年次で提出します。
例)A社は製造業のBOI恩典のもと外国人を28人雇用しており、2025年10月31日に2025年9月の賃金に関するSSOフォームをSW システムで提出した。次回提出分は2025年12月の賃金に関するSSOフォームで、提出期限は2026年2月28日。
2)BOI恩典(製造及びサービス)を使用した外国人が30人より多いの場合、直近のSSOフォームを四半期ごとに提出します。すなわち、直近に提出されたSSOフォームに記載された賃金支払月を起点として、3カ月ごとに月末までに提出します。
例)B社は製造業のBOI恩典のもと外国人を31人雇用しており、2025年9月15日に2025年8月の賃金に関するSSOフォームをSWシステムで提出した。次回提出分は2025年11月の賃金に関するSSOフォームで、提出期限は2025年11月30日です。
注記:四半期間隔は、直近に提出されたSSOフォームの賃金支払月を起点として計算されます。例えば直近の提出が3月分の賃金に関するものである場合、次回提出は6月末までに完了する必要があります。
3. 社会保険の証拠が規定通り提出されていない場合:
提出されたSSOフォームが3カ月以上経過している場合、または企業が初回提出時、もしくは3カ月以内(一般ケース)、あるいは毎年2月以内(外国人従業員30名以下の企業の場合)にSSOフォームを提出しなかった場合、システムが自動的にこれを検知し、申請の提出は不可能となります。
4. タイ人の追加雇用の場合:
最新のSSOフォームを随時提出し、更新することができます。次回の申告は「2.」の通り行います。
第2項:最低所得条件
・Management(Manager, Advisorなど)は75,000THB以上
→関連する学士号を保有する場合は50,000THB以上
・Operation(Technician, Supervisorなど、Engineer, Researcher, IT Expertを除く)は50,000THB以上
・Engineer, Researcher, IT Expertは75,000THB以上
→関連する学士号を保有する場合は50,000THB以上/月
・TISO Operator(IBPO/BPO)は35,000THB以上
例外:過去に管理職(例:GM、現在はExecutive Level)で承認された場合にいは、外国人従事者は職務を離れるまで承認された職位が継続されます。
契約は、外国人労働者とタイ国内のBOI奨励企業との間、または当庁が当該関連会社での就労を許可した場合に限り、外国人労働者と関連会社との間で締結すること。タイ国内企業との直接雇用契約が存在しない場合、外国人労働者と海外親会社との雇用契約書を認めることがある。
この場合、当該外国人がタイ国内のBOI奨励企業に勤務するために派遣されていることを証明する証明書を添付しなければならない。当該証明書は、奨励企業のサイン権を有する取締役が正式に署名したものでなければならない。
延長手続き:PND.1Korまたは雇用期間が1年未満の場合(すなわちPND.1Korの年次申告サイクルにまだ該当しない場合)は代わりに直近3ヶ月分のPND.1が必要です。ただし海外親会社からの報酬又は外国人が当局の許可を得て勤務する関連会社から報酬があった場合はPND.90/91フォームの提出が認められます。この場合、BOI奨励されたタイ企業から受け取った所得が全収入の半分以上であることを証明する証明書を添付する必要があります。当該証明書はBOI奨励企業のサイン権のある取締役が正式に署名したものでなければなりません。
・領収書
・源泉徴収票
・PND.1/1Korの外国人の名前が記載してあるページ
・PND.1/1Korの合計額が記載してある最後のページ
更新の場合、国内外の所得合計が最低所得要件を満たす場合に限り、PND.90/91の提出を受け付けることがあります。併せて、当該所得の全てが対国内における当該会社での雇用に由来する旨を証明する証明書を添付しなければなりません。当該証明書は、タイ国内の当該会社のサイン権のある取締役が正式に署名したものでなければなりません。
例:
1. 当庁が許可していない関連会社における追加業務からの所得
2. 当庁が許可していない企業、パートナーシップ又は他の機関からの所得
3. Prize(賞金)例えば 政府貯蓄債権宝くじなど
4. 投資からの利息及び配当金
5. 資産の賃貸収入または売却益
その他、BOIについては、下記記事をご参照ください。
税務恩典について▶『BOI(タイ投資委員会)における税務恩典』
ライセンスについて▶『BOI(タイ投資委員会)ライセンスの種類』
起算日の違いについて▶『BOIとNon-BOIの起算日の違い(BOI、歳入局、関税局) 』
