個人所得税の確定申告書の見方について Part 1

申告書の見方について解説するシリーズの第四弾として、今回は個人所得の確定申告に用いられるP.N.D.91という申告書の見方について解説します。

第一弾:法人税確定申告書の見方について

第二弾:VAT申告書の見方について

第三弾:個人所得税の源泉税申告書の見方について

 

確定申告は毎年1月~3月が申告期限です。2024年の所得であれば2025年1月~3月の間に申告します。電子申告の場合は8日間申告期限が延長されます。

給与所得者の場合はP.N.D.91、その他の所得がある場合にはP.N.D.90という税務申告書で確定申告を行います。

以下、2024年の申告書をベースに記載内容を解説します。

 

P.N.D.91

1ページ目

赤い枠の部分

納税者本人の情報を入力します。

上から順に、

  • 納税者番号(Tax ID)
  • 生年月日
  • 氏名
  • 住所

□通常申告 □修正申告
婚姻状況 □独身 □既婚 □死別 □課税年度内に死別

 

水色の枠の部分

配偶者の情報を入力します。

配偶者がタイ人の場合は国民ID、配偶者がタイで就労している外国人の場合は配偶者のTax IDを一番上の13桁の枠に入力します。それ以外の場合は特に数字を入力する必要はありません。

その他の入力情報は下記の通りです。

  • 生年月日
  • 氏名
  • 婚姻状況

□既婚、課税年度を通じて同居している
□課税年度内に結婚
□課税年度内に離婚
□課税年度内に死別

  • 申告状況

□(1)個別申告
□(2)合算申告
□(3)所得なし

配偶者が外国人の場合

  • パスポート番号
  • 国籍
  • 国名

 

紫の枠の部分

確定申告で追加納税がある場合は左側、源泉税過剰納付の場合は右側に、それぞれ該当する金額を入力します。

 

ピンクの枠の部分

源泉税が過剰納付となっている場合は還付請求が可能です。還付金額を入力し、署名、日付を記入します。

 

2ページ目

 

A. 課税計算

1. 給与、賃金、年金等((B)5による非課税所得を含む)
2. 非課税所得((B)6から繰り越した金額)
3. 1-2
4. 3の50%(ただし法律で定められた金額を超えない)
5. 3-4
6. 控除項目(内訳は3ページ目)
7. 5-6
8. 教育・その他の目的のための寄付金控除(実際に支払った金額の2倍)
9. 7-8
10. 寄付金控除(9の10%を超えない)
11. 課税所得(9-10)
12. 11の課税所得から算出される税額
13. □源泉徴収税 □N.D.93による中間納付
14. □追加納税 □過剰納付(8、10、13の合計)
15. 追加で税金を支払った場合
付表(C)6の数字を入力する(あれば)
16. 過剰納付分の控除
付表(C)7の数字を入力する(あれば)
17. PN.D.91で納付済みの金額を控除(追加申告の場合)
18. 課税対象 □追加納税 □過剰納付
19. 追徴課税
20. 税金総額 □追加納税 □過剰納付

 

B. 非課税所得
1. Provident Fund拠出金(10,000THBを超える場合)
2. Government Pension Fund拠出金
3. Private Teacher Aid Fund拠出金
4. 非課税所得
□65歳以下の障害者の場合
□65歳以上(障害者を含む)の場合
5. 労働法に基づいて支払われた解雇補償金(課税計算に含める場合)
6. 合計(1~5)を記入し、(A)2に記入する

他の所得と合算せずに納税する所得金額
他の所得と合算せずに納税する所得金額を入力する。この金額はRetirement Mutual Fund、Super Savings Fund、Thai ESG Fund、年金保険料の計算の基礎となる。

 

3ページ目

経費控除(100,000THB)以外の控除項目の内訳について記載します。

控除項目は多数ありますが、外国人にはあまりなじみのない項目もあります。以下、外国人(日本人)でも対象となることが多い控除項目をハイライトしています。

控除項目は年度ごとに異なるため、常に最新の申告書をご確認ください。

1. 本人(通常60,000THB、場合によっては120,000THB)
2. 配偶者(合算申告もしくは配偶者に所得が無い場合60,000THB)
3. 子どもの扶養(一人当たり30,000THB)
  ※2018年以降に生まれた第二子以降は一人当たり60,000THB
4. 両親の扶養(納税者本人の両親、合算申告もしくは配偶者に所得が無い場合は配偶者の両親も)
5. 障害者の介護費用(控除額はLor Yor 04で規定)
6. 両親の健康保険料(納税者本人の両親、合算申告もしくは配偶者に所得が無い場合は配偶者の両親も)
7. 生命保険料/健康保険料/年金生命保険料
8. Provident Fund拠出金(10,000THB以下)
9. National Savings Fund拠出金
10. Retirement Mutual Fundの投資口購入費用
11. Super Savings Fundの投資口購入費用
12. Super Savings Fund(Extra)の投資口購入費用
13. 住宅の購入、賃貸、建設のための借入金の利息
14. 最初の住宅購入費用
15. 社会保険料
16. CCTVの購入および設置費用
17. デビットカード手数料
18. ショッピング減税
・VAT課税対象の商品やサービスの購入費用
・書籍、新聞、雑誌の購入費用
・電子書籍の購入、購読費用
・OTOP商品の購入費用
19. Thai ESG Fundの投資口購入費用
20. VAT登録業者である請負業者に支払われる新築住宅建設費
21. 国内旅行(2024年5月1日~2024年11月30日)
22. 住宅修繕費(2024年8月16日~2024年12月31日、洪水によるもの)
23. 車両修理費(2024年8月16日~2024年12月31日、洪水によるもの)
24. PN.D.90のSection 11.2もしくはP.N.D.91の(A)6に繰り越される1~19の合計金額

 

次回、給与所得以外の所得を申告する際に用いるP.N.D.90について解説します。

 

その他、個人所得税関係については、下記記事をご参照ください。

基礎知識について▶『タイでの個人所得税の基礎知識

税率について▶『タイ税金のすべて~ビジネスを行う際に知っておくべき税金~

課税対象所得について▶『タイの個人所得税~対象となる所得~

控除項目について▶『タイ個人所得税の控除項目